川柳豆知識

02.08.03 編集  
 勝手な造語を使わない
 音数の制限がある川柳では短い句語を使うのが便利であり、的確な表現になり句が引き締まりますよね。
ただし、勝手に造語や省略語を作ってはならないといわれています。
国語辞典にも載っていないような自分勝手な造語は使うことなく、歴史的な淘汰を経て定着した言葉を大切にしようとといわれています。

※字余りの句は上へ
一般的に、字余りで5音で収まらない句はとりあえず上の句に持っていくのが鉄則と言われています。
収まりがよくリズムも安定した一句となるといわれています、ためしてみてください。
 音字数について
  川柳は下記にも言いましたが17音字でまとめるのが基本です。
指折り数えて「5・7・5」と詠んでいきます、今でも時々私はします頭の中で考えればいいのにネ・・・・。
50音、促音、長音、撥音は一字を一音として数えるが拗音は一字を一音には数えない
音字 おんじ 音を表す文字。音節文字(=仮名)と単音文字(ローマ字)とがある。表音文字。phonogram 〔対義〕意字
促音 そくおん つまる音。語中の「か・さ・た・ぱ」各行の音の前でつまる。「っ」「ッ」で表す double consonant
例: 「しっかり」「さっさと」は4音、「勝った」「カップ」は3音  
長音 ちょうおん 母音を長く引き伸ばした音。日本語では二拍分の長さに相当する。prolonged sound 〔対義〕短音。
例: 「おかあさん」の「かあ」で5音、「コーヒー」の「コー」「ヒー」などで4音
撥音 はつおん 音節の一つ。語中や語尾におかれ、一音節をつくる鼻音。かなでは「ん(ン)」で表す。
例: 「かんばん(看板)」は4音、「しんかんせん(新幹線)」は6音
拗音 ようおん 「や・ゆ・よ・わ」の仮名を他の仮名の下に小さく添えて表す音。「きゃ・しゅ・ちょ・くゎ」など。
例: 「ししゃ(使者)」は2音、「しょうしゃ(商社)」は3音
 川柳俳句違い
  俳句は基本的に季語を必要とします。それに、一般的には口語体ではなく、文語体で詠み、切れ字かなけりを使うことも少なくないようです。俳句の表現上の形式的な特徴が川柳と違う所のようです。
 内容的には
俳句自然諷詠で自然を対象とした客観的な見方が多く、抒情性を大切にしているようです。
川柳人間諷詠とか社会諷詠であり人間や社会を対象に主観的にも客観的にも詠み人情の機微や人生の哀歓も表現するようです。
 しかし 
俳句でも口語表現の句もあち、無季俳句自由律俳句も有りです。
川柳でも文語表現をしたり、切字を用いたり自然も詠んだり、自由律も破調も有るようです。

現代は短詩形文藝が多様な表現形式を執るようになったといわれジャンル別こ境界がはっきりしなくなり無境界化現象と言われるれるようになっている。
 武玉川 むたまがわ
 武玉川は『七・七』の2句からなる付句を独立させて一句とした江戸の文芸だったようです。
現代でも川柳界では認められており、作句している集団(『武玉川文芸社』)も在りますが作句は一部の活動に留まっているそうです。
武玉川には独特の軽快なリズム感があるが、十七音字でない物足りなさから川柳の主流にはならなかったようです。
 柄井川柳 からいせんりゅう 1718−1790
 江戸中期の川柳点の始祖
正通、通称八右衞門、俳諧を好み川柳と号する江戸浅草新堀端の名主を職とした
 
当時行われていた雑俳の前句付の点者(選者)の一人として市民から句を募り、入選句を刷物にし《川柳評万句合》を1757年(宝暦7)はじめて発行した。これは回を重ねるたびに増加し10余万句を集めるに至った、生涯に選んだ句は300万に達した。この《万句合》から呉綾軒可有(ごりょうけんあるべし)いう者が佳句を抜粋して1765年(明和2)《誹風柳多留(はいふうやなぎだる)》初編を出し成功を納め編を重ねた事で川柳の声望を高めたそうです。
この卑俗な滑稽を狙った
17字の短詩を川柳点
〈せんりゅうてん〉といい、後に川柳と呼ぶようになり、彼は始祖と目されるに至った。しかし、川柳自身の句は余り残っていなし巧みとも言えないそうです。鑑賞力に富み選句態度が公正で運営に才幹があったのでこの成功を見たと言われています。
その死後、子が2世、3世の川柳を名乗り以後十余世まで続くが、川柳の文学価値は初世川柳の死を転機として急速に低下した。

前句付 まえくづけ 七・七の句を題にし、その前に五・七・五の句をつけるもの。川柳の前身。
例= 「斬りたくもあり斬りたくもなし」 に付けた 「盗人を捕えてみれば我子なり」
名主 なぬし 江戸時代の村役人地方三役のひとつで身分は百姓郡代・代官の命を受け年貢・夫役(ぶやく)の取り立てをはじめ村政全般を担当した。地方によっては、庄屋・肝煎(きもいり)ともいう。
地方 じかた 江戸時代、町方に対する農村の呼称。転じて田制・土地制度をいうこともある。また、農政一般を指す事も在る
村方三役 むらかたさんやく 江戸時代の村役人の総称。郡代・代官の下で村政にあたった名主・組頭・百姓代の三役。
組頭 くみがしら 名主を補佐する。長百姓(おさひゃくしょう)、年寄ともいう。
百姓代 ひゃくしょうだい 郡代・代官の下で村内を監督し、同時に村民を代表していた
 川柳とは
 江戸時代に盛んだった前句付(まえくづけ)から独立した、我国独自の短詩形文学だそうです。
原則として上の句(五音)、中の句(七音)、下の句(五音)の十七音字で成り立っている。
上五(かみご)」 「中七(なかしち)」 「下五(しもご)<または座五(ざご)」ともいう。
川柳には文芸的本質として、短い中にも真理をズバリ突く寸鉄性と、知的な当意即妙性が内包されている事を忘れてはならないと言われている


寸鉄 すんてつ 短いが、深い意味がある言葉。警句。警語。epigram.
当意即妙 とういそくみょう その場にうまく当てはまるように気を利かすこと・さま。機転。witty riposte。



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